色の見え方に特性がある人の多くは、それを障害だとは思っていませんし、たいていの場面ではその通りです。困るのは、もっと小さな瞬間です。赤なのか緑なのか分からない充電ランプ。紺なのか黒なのか分からない靴下。まだ赤いのかどうか分からないお肉。
しかも、思われているよりずっと身近です。文部科学省が平成15年に作成し、全国の教職員に配布した「色覚に関する指導の資料」では、色覚異常の頻度は男子の約5%、女子の約0.2%とされています。40人のクラスなら、たいてい男子が1人、ときには2人です。
同じ資料には、くり返し伝えたい指摘もあります。こうした児童生徒の大半は学校生活に支障がなく、日常生活でもほとんど困らない程度だということです。必要なのは、色が情報を運んでいる特定の場面での、ちょっとした配慮です。
色だけが情報を運んでいる場面
- ランプ。充電器、Wi-Fiルーター、イヤホンのケース、炊飯器の小さな表示灯。赤、緑、オレンジがよくある組み合わせで、まさに見分けにくい色だったりします。
- 服。紺と黒、茶色と深緑、グレーと淡いピンク。まちがえたことに気づくのは、たいてい誰かに言われたときです。
- 食べもの。果物の熟れ具合、お肉に火が通ったか、パンにカビが生えていないか。
- 地図やグラフ。路線図、天気図、会議のスライドで、二本の線の違いが色しかないもの。
- 書類やラベル。記入するはずだった赤い枠、確認済みを意味する緑のシール。
どれも大した話ではありません。ただ、積み重なると、いつも少しだけ推測している状態になり、周りの人に聞く癖がつきます。それは聞く側にも聞かれる側にも、地味に疲れることです。
聞き方のコツ
Glimpseなら、スマートフォンを向けるか、メガネをかけていればただ見て、声に出して聞くだけです。聞き方によって、答えの使いやすさが変わります。
色の名前より、比べてもらう。「この靴下は何色?」より「この二つの靴下は同じ色?」のほうが役に立ちます。本当に知りたいのは、そろっているかどうかだからです。
色の意味を聞く。「この充電器のランプは赤?緑?それってどういう意味?」。知りたいのは色そのものではなく、充電が終わったかどうかです。
色ではなく路線で聞く。路線図なら「渋谷に行くのはどの線?」や「Gの記号がついているのはどの線?」と聞いてみてください。東京の地下鉄は、駅の案内で路線の色の横に銀座線のGのような記号が書いてあります。探す場所が分かれば、かなり楽になります。
続けて聞く。ウェイクワードがないので、セッションを開いたらそのまま話を続けられます。「このシャツは紺?」「このパンツと合う?」「グレーのほうは?」
気をつけたいこと
カメラは色見本のようには色を見ていません。暖かい色の室内照明では全体がオレンジ寄りになり、スマートフォンは色味を自動で調整します。服を確かめるなら、できれば昼間に窓の近くで聞いてください。答えが食い違ったら、明るいところで聞いたほうを信じましょう。
食べものの安全については、色はそもそも誰にとっても正しい確かめ方ではありません。お肉の焼け具合は、どんなカメラより肉用の温度計のほうが確かです。色の見え方に関係なく、です。
そして、自信満々にまちがえることがあります。医療機器の表示ランプのように、まちがいが高くつくものは、説明書か人に確認してください。詳しくはAIグラスにできないことに書いています。
いつも迷うものは保存しておく
何度も取りちがえるものがあるなら、一度だけ伝えておきましょう。「覚えておいて、紺のジャケットは茶色いボタンのほう」「覚えておいて、うちの充電器はランプが点灯したままなら満充電」。アプリを閉じてもこのメモは残るので、次からは聞くだけで済みます。
検査ではありません
Glimpseには、色覚に特性があるかどうかも、どんなタイプなのかも判断できません。気になる方は眼科で、きちんと短時間で調べてもらえます。これは、すでに自分の見え方を知っていて、靴下の色を推測するのに疲れた人のためのものです。
まずは引き出しで
いちばん暗い色の服が入っている引き出しを開けて、窓の近くで、自信のない三着について聞いてみてください。iPhoneなら無料で毎日使えますし、Glimpse Glassesなら同じことを両手を空けたままできます。
よくあるご質問
Glimpseで色覚の検査はできますか。
できません。医療機器ではなく、視覚の検査もしません。検査は眼科で受けてください。Glimpseは、これが何色かという日常の確認のためのものです。
色の名前はどのくらい正確ですか。
昼間の光ではおおむね正確ですが、暖かい色の室内照明では、どんなカメラでも色がずれます。服なら窓の近くで聞いてください。大事なものは念のため確認を。
お肉に火が通ったか分かりますか。
見た目は説明できますが、色は誰にとっても安全な確かめ方ではありません。肉用の温度計を使ってください。