技術のほうは簡単です。難しいのは、読むことを助ける道具をすすめることが、相手の側からは「あなたが困っているのに気づきました」という宣言に聞こえてしまうことです。
ここさえうまくいけば、あとは十分の設定で終わります。ここを外すと、どんなによい道具でも引き出しに入ります。
どう切り出すか
うまくいく伝え方は、心配ではありません。おもしろさか、便利さか、できれば相手ではなくご自分の話です。
うまくいきやすいのは、こんな言い方です。レストランのメニューを読むのに買ったんだけど、なかなかいいよ、使ってみて。あるいは、見てて、袋の裏を読み上げるからと言って渡す。あるいは、料理のときに、いちいち手を洗ってレシピを見なくてすむから使ってる。
うまくいきにくいのはこちらです。目が悪くなってきたから、これがあると助かるでしょう。ひとりで大丈夫か心配で。というより、心配から始まって機械で終わる話は、だいたいうまくいきません。
いちばん確実なのは、まず自分で使ってみせることです。すでに使っている道具はおすすめですが、その人のために買った道具は診断書に近くなりますし、そのように受け取られます。
設定は一度、きちんと
一度だけやればよいことは、すべてご自分が、一回で終わらせて、二度としないでください。
- インストールとサインイン。 アカウントとパスワードは、この手のものがいちばんよく行き詰まるところです。こちらで済ませて、パスワードは分かる場所に書いておきます。
- 権限の許可。 カメラとマイク、保存した画像を使うなら写真も。三週間後にひとりでいるときに許可を求める画面が出るのは、使うのをやめる理由として十分です。
- 音量を上げる。 本当にです。思っているより大きくして、テレビがついている部屋で聞こえるか確かめてください。
- アイコンは一画面目に。 できれば下の段に単独で、フォルダの中には入れないでください。
- 音声で起動できるようにする。 アイコンを探さずに声で始められることが、最後の壁をなくします。
- 本物で一度ためす。 お手本ではなく、実際に届いた手紙を読んでみてください。
機能一覧ではなく、一文だけ教える
よかれと思って、ご家族がいちばんまちがえるのがここです。機能の紹介はしないでください。教えるのは、見て、たずねる、これだけです。
それ以外は、本当に必要になったときに見つかります。そしてご本人が自分で見つけた使い方は、三週間前に見せた使い方とは違って、そのまま続きます。
様子をたずねたくなるのをこらえる
毎週「あれ、使ってる」と聞くと、道具が宿題になります。何も聞かないでください。役に立っていれば、向こうから言ってきます。たいていは何かを読んでもらった話としてで、それが成功のしるしです。
最初の一週間
最初の使い道は、予想とまったく違うと思っておいてください。人はいちばん困っていることに手を伸ばしますし、それは子どもが想像したものとはたいてい違います。郵便物と食品の袋はよくあります。なぜかテレビのリモコンも同じくらいよくあります。
二週間たっても触られていない場合、原因はたいてい道具ではありません。必要になる場所とスマートフォンが、いつも別の部屋にあることが原因です。読みものは台所で起きるのに充電が寝室なら、それだけで習慣は育ちません。
必ず聞かれる二つのこと
ずっと聞かれているの。 いいえ。自分で始めたセッションの間だけ動きます。
お金がかかるの。 いいえ。無料の範囲に毎日の利用時間があり、カード登録もいりません。自分で申し込まないかぎり課金されませんし、申し込む必要もありません。
どちらも一文で答えられるようにしておいてください。ここがあいまいだと、人は理由を告げないまま黙って使うのをやめます。
グラスを考えるタイミング
まずはスマートフォンからです。必ず。無料ですし、二週間ふつうに使ってみれば、その方の暮らしに合うかどうかがわかります。合っていて、しかも必要なときに手がふさがっていることがくり返し起きているなら、そのときこそグラスの出番です。スマートフォン版が使われなかったのなら、グラスにしても変わりません。
よくあるご質問
親に角が立たないように伝えるには。
心配して買ったものとしてではなく、自分が使っていて便利だったものとして渡してください。まず自分で使ってみせてから手渡すのがいちばんうまくいきます。
代わりに何を設定しておけばよいですか。
インストールとサインイン、カメラとマイクの権限、音量を上げること、アイコンを一画面目に置くこと、音声での起動、そして実際の郵便物などで一度試すことです。
最初からグラスを買うべきですか。
いいえ。まず無料のスマートフォンアプリを二週間使ってください。使われていて、しかも手がふさがることが問題なら、グラスの価値があります。アプリが使われないなら、グラスでも変わりません。